野生でみつけた白いカタクリの話

 先々月、所用で東北の方に用事があり、ついでにヒメギフチョウでも見てから帰ろうか、なんて話していました。

鳥担当のこりんは当然ヒメギフチョウなんて見るのは初めてで、ワクワクしました。

ヒメギフのポイントは少し急な坂道にカタクリの花が咲き乱れる美しい場所。

わたしはこのカタクリの花がなんだかとても好きです。一株から一輪、恥ずかしげに俯いて見せるその姿は、とてもいじらしくて美しいと思います。

遠くで虫担当の呼ぶ声がして歩いて行ってみると、指差す地面にはこんな花が咲いていました。

なんと野生のカタクリ白変株でした。可憐さを増した花の佇まいに、おもわず息を飲んでしまいます。

この白いカタクリ、園芸用のものでは「白花かたくり」として販売もされていますが、野生のもので出会える確率は数万分の1だと言われています。

おしべも色が抜け透き通るような美しさです。周囲をくまなく探しましたが、白い株はこのひとつだけでした。


このあとヒメギフチョウも観察することができ、そのうえ美しい宝石のような白いカタクリに出会えた素敵な寄り道になりました。

鱗音 -scaletone-

標本作成ユニット「鱗音 -scaletone-」公式サイトです。 主に昆虫の定格標本、動態標本、魚類・両生類・爬虫類を中心とした透明化骨格標本、鳥類を中心とした剥製標本、各部位の標本、羽の額装標本などを扱っています。

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