鳥の遺骸と向き合う-剥製標本について②-
みなさまこんにちは。鱗音の鳥類諸標本担当、こりんです。
前回お話しした「鳥の死骸はどうやって手に入れてるの?」の続きをご紹介させてください。
前回のお話しはこちらから。
さまざまな原因で鱗音の元にやってくる鳥の骸たち。
これらを標本にするとき、鳥担当が初期の頃から続けていることがあります。
まず、鳥の遺骸に手を合わせます。事故や衰弱で天寿を全うできなかった鳥たちに思いを馳せ、また、朽ちるはずの体を輪廻のなかから譲り受けたことに対し、ゆっくり手を合わせます。この姿はあまり人に見せたくありません。
祈りの後に続くのは、計測です。
この子はこの世界をたしかに生きていたんだぞという気持ちで、各部を計測して記録用紙に記していきます。
記録用紙には山階鳥類研究所の鳥類標識調査に使用されているものを使用しています。
むかし、私を気に入ってくれたバンダーが持たせてくれたものです。
できるかぎりの情報をここに記していきます。
ここまできてようやく、解剖に取り掛かります。
死因不明の場合は、死因を探るように。性別不明の場合は、性別がわかるように、慎重に剥いていきます。
上記のスズメは、交差点内の植え込みで死んでいたことからだいたい予想はついていましたが、どうやら衝突死だったようです。
鱗音に作品として上げられる剥製標本は、このような手順を踏んでから作られています。
今回は剥製標本を作るまでの儀式について書きましたが、皆様の知りたいことや見てみたいものなどお気軽にお寄せいただけると幸いです。
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