北限の小蝶を探しに[haokoze]

秋の声が聞こえてくる頃、小さな蝶を探しに出かけました。

シルビアシジミー市街地でもよく見るヤマトシジミと非常に似通った容姿をもち、まるで日本の蝶でないような名前を持つ蝶が今回探した蝶でした。

生息地は点在するものの非常に限られており、日本海側の生息北限が能登半島にあります。

食草はミヤコグサ。黄色くかわいらしい花をつけるマメ科の植物で、シルビアシジミはこのミヤコグサに強く依存しています。

しかしながら近年になって食草をシロツメクサに転換する個体群が見られるようになってきました。

千葉や兵庫などに生息する個体群はこうして食草を切り替えることで命をつないでいるようです。

少ない蝶ですが飼育することは容易で、うちではシロツメクサで飼育を行っています。

シルビアシジミのシルビアという名前は、ある昆虫学者の亡くなった娘の献名で名づけられています。

小さく可憐な蝶ですが、かなりの距離を移動する生態も知られ、生き抜くために食草も変える…

今日もどこかでたくましく羽ばたいているシルビア。

いつまでもその命が紡がれていきますように。

シルビアシジミ成虫 2019.9.15 石川県 

シルビアシジミ幼虫 2019.10.6 石川県母蝶採卵 飼育

鱗音 -scaletone-

標本作成ユニット「鱗音 -scaletone-」公式サイトです。 主に昆虫の定格標本、動態標本、魚類・両生類・爬虫類を中心とした透明化骨格標本、鳥類を中心とした剥製標本、各部位の標本、羽の額装標本などを扱っています。

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